冤罪は、私たちの、誰にでも、どこにいても、いつの時にも、いやおうなく人生に覆い被さってきます。その被害は深刻です。人生を丸ごと奪います。教育をうけ、仕事について、恋愛をし、家庭をつくり、家族をいつくしむ、そんなすべての機会も、名誉も信用も財産も健康も生きがいも、そして夢も未来も根こそぎ踏みにじってしまいます。しかも、「法と正義」の名の下に理不尽極まりなく強いる人生被害です。
冤罪事件の多くは、「被告人」あるいは「共犯者」に犯行を自認する態度があり、まことしやかな内容の自供証拠がつきものです。さらには、一見符合するかのような証拠がそえられます。
人は追いこまれれば、してもいない犯罪を自認することがありますし、自供調書に自署し指印もします。裁判になっても、その姿勢をつづけてしまうことさえあります。
検察官も捜査本部も、真犯人だと信じるからこそ、逮捕し、起訴します。捜査は、その真犯人像にしたがって、見込みをたて、予想し、犯人をえらび、捜査本部の見立てにそった自供を獲得し、証拠を収集します。検察は、裁判所の判断基準に見合うように、自供証拠とその他の証拠とを調整します。
新たなDNA鑑定によって、あるいは、真犯人の登場によって、無実が明らかとなった事件があります。それがなければ誤判冤罪を明るみにすることはできなかったでしょう。では、あらたな科学的知見、あるいは、真犯人が現れることによって、誤判冤罪が是正される僥倖は、どれくらいの確率があるのでしょう。10に1つか、100に1つか、はたまた1000に1つか。転じて、この僥倖にあずかれない冤罪被害者の数は、あずかれる数の10倍100倍1000倍を暗数として描くことができます。
信頼は、覆い隠すことではなく、誤りを誰よりも早く自ら見出し是正することによってこそ、得られます。ですから、私たちの司法は、すべての誤判冤罪を、どこよりも早く、自らの手で発見し、是正しなければ、その信頼を回復できません。
このサイトでは、(1)冤罪事件のデータベース、(2)誤判研究レポート、(3)冤罪被害の掘り起こしと回復策、(4)雪冤活動相互の情報交換の4つを柱にしています。 すでに雪冤を果たしたその数の、10倍も100倍も1000倍にのぼるだろう誤判冤罪を掘り起こし、是正して、冤罪被害を回復するとともに、司法への信頼もまた回復することを目標としています。
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