雪冤プロジェクト - 冤罪事件データ詳細

平成１１年４月下旬に自動車に放火した器物損壊の事実と、同年８月１３日に木造家屋に放火しようと企てたものの媒介物である廃材を焼損したにとどまった現住建造物放火未遂の事実で、甲が起訴された。

起訴の経過は以下の通りである。
甲宅付近では，２年ほど前から連続放火事件が発生しており，甲も参考人として事情聴取されたことがあった。
上記器物損壊事件の際，甲の犯行を目撃したという者があらわれた上，甲宅近くで上記放火未遂事件が発生したため，甲に疑いがかけられた。

第一審の仙台地裁は無罪判決を言い渡し、平成１４年１１月１２日、控訴審で控訴が棄却され無罪判決が維持された。

判決の中で、仙台高裁は、甲の自白調書について不自然な変遷・供述が随所にみられる点などを指摘してその信用性に疑問があるとした他、目撃者の証言や甲の自白について客観的な裏付け捜査をしていなかった点について捜査のずさんさを指摘した。